野獣捜査線
(米・85)
監督/アンドリュー・デイヴィス
出演/チャック・ノリス、ヘンリー・シルヴァ、モリー・ヘイガン
チャック・ノリス出演作の中では割とハードボイルド・テイストのある重厚さをもった作品だったと思う。ノリス自身はいつもと変わらぬC級俳優のままなのだが、映画自体はB級ぐらいには手が届いているだろう。今や実弟アーロン・ノリスぐらいにしか相手にされないノリスだが、本作は後に『沈黙の戦艦』(92)、『逃亡者』(93)、『チェーン・リアクション』(96)などで小ブレイクするアンドリュー・ディヴィス監督のシャープな演出が効いているのかもしれない。その完成度に見合った存在感を観客の印象に残せなかったノリスの起用が足を引っ張ってしまった。しかし、走る列車の屋根でのアクションや、スピード感のあるカーチェイスなど見せ場も、小粒ではあるが随所に散りばめられている。
シカゴの二大麻薬組織の抗争が勃発し、イタリア系組織トニー組の娘ダイアナが対立する南米系組織コマチョ組に囚われる。この事件を担当するシカゴ市警の刑事エディ・キューザック(チャック・ノリス)は、同僚刑事が犯した誤射事件の隠蔽を許さなかったため、味方の援護を失ってしまっていた。コマチョの要求はトニーを渡すことだったが、トニーの車はエディに追跡された挙句に衝突事故を起こし爆発炎上、トニーも死亡してしまう。やむなくエディは単独、コマチョ組の待ち受ける廃工場に向かう。唯一の相棒ポリス・ロボットのサポートを受けて銃撃戦の末、コマチョ組は壊滅しダイアナも救出される。
エディが工場に乗り込むまでのストーリー展開はかなり迫真なテンションを持ち、通常のノリス映画にありがちな直線一辺倒なストーリーでなくていいのだが、最後のクライマックスでいきなり六輪駆動のポリス・ロボットが登場することで一気に崩壊する。コマチョを演じたヘンリー・シルヴァの異常な雰囲気もよかったが最後はチンピラ以下の小悪党に成り下がってしまう。誤射事件をめぐって同僚刑事たちとノリスの苦悩が、もう一方の物語の核として活かされるべきだったが、実はあまり重要な意味も持たないどころか、むしろ邪魔にさえ感じられた。ビデオを500円で購入。
