WANTED/ウォンテッド
(米・86)監督/ゲイリー・シャーマン
出演/ルトガー・ハウアー、ジーン・シモンズ、ロバート・ジェロームこの映画には個人的な想い出がある。80年代半ば、大好きだった大阪のOiパンク・バンド、コブラのメジャー移籍シングル“STRANGERS”が、何故か『ウォンテッド』のイメージ・ソングに使われていた。もちろん日本だけで無理矢理タイアップされた企画なので本編には挿入されていない。
『ブレードランナー』(82)、『ヒッチャー』(85)で強烈な印象を残し、日本でも知名度が高まりつつあったルトガー・ハウアー主演のアクション映画。TVシリーズ『拳銃無宿』(58)でスティーブ・マックイーン演じる賞金稼ぎジョッシュ・ランドルの孫ニック・ランドルが現代の賞金稼ぎ(バウンティ・ハンター)となって活躍する。元KISSのジーン・シモンズが悪役で出演してる事も売りの一つ。ロスを舞台にアラブ・ケリラの爆弾魔マラク・アル・ラヒムを、CIAに雇われた賞金稼ぎニック・ランドルが追う。成功報酬は25万ドル、生かしたまま捕えればボーナス5万ドル。ラヒムが爆破した映画館の焼け跡から発見された起爆装置が、盗み出された人工衛星のソレノイドであることから、ランドルはソレノイドを盗み出した男と仲買人を締めあげて、ラヒム一味のアジトを絞り込む。かつてランドルに仲間を殺された過去をもつラヒムもまた復讐に燃えていた。ラヒムが化学工場を爆破する計画を掴んだランドルは決着をつけるべく工場に乗り込む。
考えてみれば、CIAがわざわざ賞金稼ぎを使ってテロリストを逮捕させるというのもおかしな話ではある。が、それはそれ、深く考えずに観るほうが得策というもの。注目すべき特別なものがないB級アクションだが、当時のルトガー・ハウアーには独特の存在感がある。金髪と碧眼、冷血動物を思わせる顔つきが、80年代を象徴する非情なヒーロー像にマッチしていた。黒いレザーに身を包んだ賞金稼ぎにはいかにも適役だろう。恋人や親友との交流する場面があり、血が通っているハウアーの姿も描かれている。ラヒムとの闘いに勝利したものの、大切な人たちを亡くしたランドルが草むらでハモニカを吹き、仰向けに倒れ込むラスト・カットが哀愁と余韻を残す。