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特攻サンダーボルト作戦
Operation Thunderbolt
Raid On Entebbe

(米・76)

監督/アーヴィン・カーシュナー
製作/エドガー・J・シェリック、シドニー・ベッカーマン
脚本/バリー・ベッカーマン
撮影/ビル・バトラー
音楽/デヴィッド・シャイア
出演/ピーター・フィンチ、チャールズ・ブロンソン、マーティン・バルサム
ジョン・サクソン、ジェームズ・ウッズ

 1976年6月27日、テリアビブ発パリ行きのエールフランス機がドイツ人をリーダーとするパレスチナ解放戦線コマンドにハイジャックされた。機はアフリカのリビアに寄港してからウガンダ、エンテベ空港に着陸した。犯人の要求は世界中で投獄されているゲリラ約50人の釈放。時のイスラエル首相ラビンは特殊部隊に強行作戦を指示。7月3日深夜、特殊部隊200人が分乗したC130輸送機4機は、同空港に着陸するイギリスの貨物機の背後に縦列で続き、レーダーに察知されずに着陸した。部隊は人質100人が監禁されている空港ターミナル・ビルと管制塔に突入。監視していたゲリラ、ウガンダ兵13人を射殺し、C130に人質を乗せて脱出に成功する。着陸から離陸までわずか58分の電撃作戦だった。いわゆる「エンテベ事件」である。実際の映画化とはいえ、随所に製作陣の意図であろうユダヤ賛歌・反アラブ的な描写を感じる。日本では『ブラック・サンデー』(77)がそうであったように国際問題を憂慮して公開が見送られ、固有名詞を架空のものに変更して数年後公開され、80年代中期にビデオ化もされた。アメリカの映画界やメディア界はユダヤ資本が幅を利かしている現実があり、従って反ナチス、反アラブの映画は作られ易い。ユダヤ人にとっては「エンテベ事件」は英雄的行為であり、本作の他にも『エンテベの勝利』(76)、『サンダーボルト救出作戦』(77)などで映画化されている。しかもイスラエル政府の全面協力の下に製作されるため、かなりのスケールに仕上がっている。この『特攻サンダーボルト作戦』も然りで、TVMの範疇に収まらぬスケールの大きさだ。劇中に登場するC130は恐らくイスラエル軍が貸し出したものだろう。また、当時の映画では稀だったウージー機関銃もあるいは軍が提供したものかもしれない。相当の力の入れようで演出された救出作戦シーンの迫力はなかなかのもの。ただし、露骨なまでにユダヤの高潔性を訴えた感がひっかかり、まるで宗教がかったようなラストには、娯楽であるはずの映画としては疑問が残る。あまり華のあるキャスティングではないが、辛うじて知名度のあるジェームズ・ウッズやマーティン・バルサムは多分ユダヤ系だろう。この映画には明確な主役が存在しないため、チャールズ・ブロンソンが主人公とは言い切れない。出演者の中では圧倒的な知名度があるものの、いち出演者的な扱い。ブロンソン演じるダン・ショムロン准将は作戦の指揮を執った実在の人物。ちなみにブロンソンの父はユダヤ系リトアニア人移民である。人質を救出し、ターミナル・ビル内に横たわるゲリラの死体を無言で見つめるブロンソンの姿がもの悲しく印象的だった。ビデオを探す際は前出の『サンダーボルト救出作戦』との混同に注意されたし。こちらは怪俳にして本当のドイツ人男優クラウス・キンスキーがテロリストを演じている。


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