ワイルドトレイル
(伊・75)

監督/アンソニー・M・ドーソン
出演/ジム・ブラウン、リー・ヴァン・クリーフ、フレッド・ウィリアムソン、ジム・ケリー

 マカロニ・ウェスタン・ブームもすっかり過去のものになった75年の作品。あまりいい評判は聞かないし、そもそもこの映画について語られることも稀有だが、個人的には好きな映画だ。黒人3人が善玉という設定も、西部劇の様式美や常識を常に破壊し続けたマカロニらしいと解釈したい。金や欲望を満たすために外道なことを平気でやってのけるヒーローが圧倒的に多いマカロニにあって、世話になった恩人との約束を守るために命と意地を張るジム・ブラウンに好感が持てる。マカロニでは常に別格的に扱われてきたリー・ヴァン・クリーフは今回は裏・主役という感じだ。かつてはならず者として生きてきたパイク(ジム・ブラウン)が、自分に更正するチャンスをくれた白人の雇い主モーガンの遺言で、家族の元に金を届けるという約束を交わす。パイクの持つ金を狙うアウトローたちとの戦いが開始された。また、腕利きの賞金稼ぎ・キーファー(リー・ヴァン・クリーフ)のプロフェッショナルぶりもグレイト。キーファーは十年来パイクを追い続けていたが、最後にはパイクがアウトロー稼業を辞めてまっとうな人間として生きてきたことを悟り、ニヤリと笑い無言で去って行く後姿に孤高のプライドを見た(ような気がする)。パイクに味方する黒人・タイリー(フレッド・ウィリアムソン)、インディアンのカシトク(ジム・ケリー)もイカしたキャラクターだ。裏切りだの皆殺しだのと後味の悪い作品の多いマカロニ・ウエスタン。爽快感が残るという意味では、この『ワイルドトレイル』は既にマカロニと呼べないものかもしれない。むしろキャストからしてブラックスプロイテーション映画に近い(出演する黒人3人は黒人スター暴走映画『リボルバー』でも共演)。永らくこの映画をちゃんとした形で観ることが出来なかったが、近年、PLAY HOUSE VIDEOからリリースされたビデオを入手できた。

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