ストリートファイター
Hard Time

(米・75)

監督 / ウォルター・ヒル
製作 / ローレンス・ゴードン
製作総指揮 / ポール・マスランスキー
原作 / ブライアン・ギンドーフ、ブルース・ヘンステル
脚本 / ブライアン・ギンドーフ、ブルース・ヘンステル、ウォルター・ヒル
撮影 / フィリップ・H・ラスロップ
音楽 / バリー・デ・ヴォーゾン 
出演 / チャールス・ブロンソン、ジェームス・コバーン 

 ウォルター・ヒルの監督第一作にして傑作映画、ブロンソンの代表作のひとつ。これ観て熱くなれないヤツは男とは言えないと思う。当時54歳のブロンソン扮する流れ者・チャーニーには男に必要なものがすべてある。大不況を背景にしたアメリカ南部で、殴り殴られの賭け喧嘩に命を張る男たちの、出会いと友情、絆と別れ、優しさと男気。完璧だ。
 賭け喧嘩で子飼いのファイターを再起不能にされたマネージャー、スピード(ジェームス・コバーン)の前にルンペンのようなチャーニーが現れる。チャーニーの年齢に不信を抱きつつもスピードは手を組むことにした。チャーニーはデビュー戦でいきなり若い大男をワン・パンチでKOする。以後、快進撃を続ける二人の前に、町のホスが雇ったファイターが挑んでくるが、この強敵をも破るチャーニー。ボスはチャーニーをスピードから買い取ろうとするが、チャーニーは友情ゆえに断る。恥をかかされたボスはスピードを人質にとり、シカゴから呼び寄せた“チャンプ”とチャーニーを戦わせようとする・・・。
 デタラメなマネージャーに手を焼きながら、血みどろのガチンコ勝負に挑むブロンソンの躍動する筋肉がイカしすぎ。70年代に作られたアクション映画の傑作の多くは、敵役の扱いが素晴らしい。クライマックスでチャーニーと死闘を演じる、“チャンプ”の誇り高い負けっぷりに涙が出なきゃウソだ。言い訳ばかりするグレイシー一族も“チャンプ”を見習ってほしいものだ。激しいファイト・シーンの“動”と、ジル・アイアランドとのロマンスの“静”のバランスも絶妙。別れ際、命懸けで稼いだ金のほとんどをスピートに渡し「暇つぶしだといったろ」とさりげなく言ってのけるチャーニーに燃えた。町に来た時と同じくチャーニーは汽車に無銭乗車して去って行く。で、この後、チャーニーはどうなったのか? 彼は無銭乗車に命を賭け鬼車掌と死闘を繰り返すのだった・・・そりゃ、『北国の帝王』(73)だっつーの! ま、とにかくこの映画は全男性必見といっても過言ではない。