シャフト
(米・00)出演/ジョン・シングルトン
出演/サミュエル・L・ジャクソン、ヴァネッサ・ウィリアムズ、ジェフリー・ライトはっきり言えば凡作でしょう。『黒いジャガー』(71)のリメイクではなく、リチャード・ラウンドツリーが演じた私立探偵シャフトの甥シャフトが活躍する変則的な続編。『拳銃無宿』(TV)と『ウォンテッド』(86)の関係と同じといえるか。ラウンドツリー版シャフトが洗練された都会的ヒーローだとしたら、今作のシャフトは武骨なタフガイという感じ。サミュエル・L・ジャクソンも悪くないが、これは『黒いジャガー』とは無関係とみても支障はない。アイザック・ヘイズが歌うテーマ曲の使われ方は、実は今作のほうがクールな気がする。『黒いジャガー』とは違い、予算面やプロダクションがしっかりして、キャスト、スタッフもゴージャズになったせいか、手作り映画の雰囲気が『黒いジャャガー』ほどには感じられない。それをプラスととるかマイナスととるかは人それぞれだろうが。舞台はニューヨーク、シャフトはNY市警の刑事。人種差別主義者の白人による黒人青年撲殺事件が発生。犯人ウォルターは逮捕されるが裁判ではほぼ無罪の判決が下る。これがストーリーの柱になるのかと思ったが、この事件と並行して、シャフトはヒスパニック・ギャングスタの麻薬王ピープルズをつけ狙う。何の関連もなかったウォルターとピープルズが成り行きで手を組むのだが、この辺がかなり不自然な展開に思えなくもない。しかも、悪役として弱すぎ。こういう類いの映画は過度の期待をせすにそれなりに観れれば、それで良しとすべきかもしれない。法制度の無力さを痛感したシャフトは警察を辞職し、独自のやり方でウォルターとピープルズと対決する。銃撃戦やカーアクションを盛り込んだ見せ場も用意され、どうにかまとまっているが、複雑のようで実は単純すぎるストーリーに脚本の巧みはない。無闇やたらに黒人のカッコ良さばかりを強調していないのが救い。虐げられた黒人の代表として黒人ヒーローが横柄な白人をぶっ飛ばすだけの映画なら途中で興醒めしていたと思う。黒人主演のアクション映画が珍しくない昨今、今更、ブラックスプロイテーション映画もないだろう。