戦争プロフェッショナル
(米・68)

監督/ジャック・カーディフ
出演/ロッド・テイラー、イヴェット・ミミュー、ジム・ブラウン

 いかにも映画的には恰好の題材ではあるが、傭兵の映画というのは意外に多くない。そんな中でも有名どころではフレデリック・フォーサイス原作の『戦争の犬たち』(80)や男泣き戦争映画の傑作『ワイルド・ギース』(78)が印象に強い。実は傭兵はヒーローではない。金のために戦争を請け負う外道といえるかも知れない。しかし、“傭兵”や“外人部隊”という言葉にロマンやアヴァンチュールな響きを感じるのは、映画の中での傭兵たちがあまりに実像とかけ離れた、冒険家のような描かれ方をするからだろう。内戦状態で混乱する中央アフリカのコンゴ。白人傭兵カーリーは暫定政府大統領ユビから、反乱軍が制圧する地域で孤立している鉱山従業員たちの救出作戦をオファーされる。ユビの真の狙いは人命救出ではなく、鉱山に保管されているダイヤの回収にあった。莫大な報酬と引き換えに仕事を引き受けたカーリーは部隊を編成して、武装した機関車で鉱山の町を目指すが・・・。
 何となく適当に観れば、何となく適当に楽しめるレベルの内容だが、正直、肝心の戦闘シーンが物足りなく盛り上がりを欠く。一応、鉱山の町でゲリラ軍相手の戦闘シーンがあるのだが、一言で言えば緊迫感がない。また、登場人物たちのキャラクターに奥ゆきがない。ケリラに夫を殺された女が、数時間後には主人公をウットリした目で見つめていたが、肉親の死に悲しんだ直後に新しい出会いに胸ときめかす事などあるか、普通? 主人公カーリーを演じるロッド・テイラーからして緩みっぱなしのヤサ男テイストで、戦場を渡り歩く傭兵の雰囲気が皆無。そんなだから当然ドラマ部分はひどく薄っぺら。だからこそアクション場面に力を入れて欲しかった。トントン拍子でストーリーが進むのが救いだが、後半はダメ。ゲリラに追われている事など忘れて、友情を確かめ合ったり、裏切り者を追い掛けたり、と戦争アクション映画とは思えぬ方向にいってしまい、クライマックスに何かあるに違いないと期待した矢先にいきなり【THE END】マーク。観終わった時は「何の映画だっけ?」と脱力せずにはいられない。70年代にブラックスプロイテーション映画でブレイクするジム・ブラウンがもっと活躍すれば、印象も変わっただろうが、当時のジム・ブラウンは特別扱いされるような存在ではなかったようで、あまりいいところなくあっさり死んでしまった。

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