サンダーボルト救出作戦
(イスラエル・77)

監督/メナハム・ゴーラン
出演/クラウス・キンスキー、シビル・ダニング

 76年、テリアビブ発パリ行きのエール・フランス機がパレスチナ・ゲリラにハイジャックされる。犯人は機をアフリカ・ウガンダ共和国のエンテベ空港に着陸させ、イスラエル国内に拘留中の政治犯の釈放を要求。イスラエル特殊部隊は空港ターミナルを急襲、ウガンダ兵とテロリストを射殺し、人質救出を成功させた。
 ・・・という実際に起きた事件を映画化したのがコレ。監督はイスラエル出身のメナハム・ゴーランでイスラエル政府の協力の下に作られた映画と思われる。同年に製作された『特攻サンダーボルト大作戦』に比較すれば完成度は劣るし、『特攻〜』を既に観た人にとってはあまり見所はないだろう。知名度のある俳優がマカロニ・ウエスタンの悪役のクラウス・キンスキーと女囚アマゾネスのシビル・ダニングのゲテモノ怪優のみという点はセンスを疑いたくなる。ラヴィン首相やC−130輸送機の実録フィルムの映像を挿入したり、いろいろハクを付けようとしたフシもあるが全体的なショボさをカバーさせるまでに至っていない。実話の映画化なのだから、事件発生 → 閣議 → 訓練 → 突入 → 救出 → 脱出 → 帰還の流れが『特攻〜』とほぼ同じなのは当然だとしても、ユダヤ人の高潔性を強調しているような視点、挙げ句にラストシーンまでが同じなのは、正直、芸の無さを感じる。しかし、メナハム・ゴーランはこの話がよほど気に入っているのか、単に進歩がないだけなのか、舞台となる国を変えただけで同内容の『デルタフォース』(85)まで撮っており、あまりに露骨な反アラブ主義に呆れた。

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