狼の挽歌
Violent City
The Family
Citta Violenta

(伊・70)

監督 / セルジオ・ソリーマ
製作 / ピエロ・ドナーティ、アリゴ・コロンボ
脚本 / セルジオ・ソリーマ、サウロ・スカヴォリーニ、ジャンフランコ・カリガリッチ、リナ・ウェルトミューラー
撮影 / アルド・トンティ
音楽 / エンニオ・モリコーネ
出演 / チャールズ・ブロンソン、ジル・アイアランド、テリー・サヴァラス

 セルジオ・ソリーマといえば、レオーネ、コルブッチに続く“セルジオ三羽烏”の一人・・・とは誰も言わないだろうが、同じくマカロニ・ウエスタン数本を撮った監督。ブームに便乗したマカロニでは『血斗のジャンゴ』と『復讐のガンマン』が辛うじて知られているものの、内容的には特筆すべき出来ではない。そのソリーマの最高の仕事がこの『狼の挽歌』になる。日本では71年の洋画の興行成績7位に輝いた。チャールズ・ブロンソンにテリー・サヴァラスという日本でも知名度の高いキャストに加えて、大御所エンニオ・モリコーネの音楽とくれば、確かに売れる要素は揃う。逆に、人気に勢いがあったブロンソンの映画がヒットしないわけがない。30年以上経った現在からみれば、古めかしさは否めないが、ブロンソン主演映画としても、またユーロ・アクションとしても今だに高く評価される一本。観直して気付いたが、銃声の効果音がマカロニ・ウエスタンでよく使われるセコい音だった。単にブロンソン主演のアクション映画という見方だけでなく、ブロンソンからは連想しづらいポップな側面もある。登場人物のファッション、メイクやヘアスタイル、車、テレビ、銃、家具など出てくるモノやアイテムのデザインが素晴らしくキッチュで、レトロ感も手伝ってヴィジュアルにスタイリッシュなものを感じる。アメリカ映画でなら売り出し中の俳優を簡単に死なす事は稀だが、主人公がラストにいともあっさり死んでしまうのはヨーロッパ映画ゆえか。ストーリーは恋に落ちた殺し屋ジェフが自分を裏切った女バネッサに復讐を果たすまでの単純なもの。開幕いきなりブロンソンとジルのイチャつく場面を見せられ、公私混同も甚だしい! と思ったが、最後にはキッチリとケリをつけてプロの面目躍如。ラスト、ガラス張りのエレベーターに乗ったバネッサと男を、離れたビル屋上から狙撃するシーンの描写が最高。無音状態の中、弾丸がガラスを突き破る音だけが響く。カメラはビルの外側から二人を捉え、撃たれた男の悲鳴は聞えない。バネッサは死を悟りガラス越しに外に向って叫ぶが画面は無音状態が続く。映画中盤でバネッサがジェフに「私を撃つなら一発で殺して」と言うセリフがあり、バネッサの唇が同じセリフを叫んでいるのが解る。バネッサを一撃で射殺するのはジェフの最後の優しさ。スローモーションでバネッサが倒れるシーンがクール。どう考えてもブロンソンの代表作のひとつ。