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ニュー・ジャック・シティ
(米・91)

監督/大串利一
出演/マリオ・ヴァン・ピーブルズ  出演/ウェズリー・スナイプス、アイス・T、マリオ・ヴァン・ピーブルズ

  ギャングスタ・ラップ・ナンバーを映像化したようなストーリーがテンポよく展開し、飽きることなく一気に観れた。黒人社会を蝕むクラックや、ブラザー&シスターを食い物にする黒人ギャングスタを取り上げて社会的テーマも反映させているが、引き締まったアクション・シーンと、登場人物のファッションや仕草のカッコ良さのほうに目がいってしまう。麻薬組織CMBを率いるニーノ・ブラウンをウェズリー・スナイプスが熱演。ニューヨーク中にクラックをバラ撒き、暴力でのし上がる姿は、『スカーフェイス』(83)のトニー・モンタナを思わせる(実際、劇中でも『スカーフェイス』が使われている)。もう一方の主人公は本物のギャングスタ・ラッパーでもあるアイス・Tが演じるアンダーカバー捜査官スコッティ・アップルトン。
 1986年、ニューヨークの麻薬犯罪に新たな勢力が台頭してきた。新種の麻薬クラックを仕切る黒人麻薬組織CMB。リーダーのニーノは天才的極悪人。一匹狼の黒人刑事スコッティはクラックのシンジケートを追っていたが、単独で行動するスコッティにとってCMBの牙城はあまりに強大だった。3年後、街にはクラックが溢れ、CMBはニューヨークを牛耳る一大組織に発展していた。ニューヨーク市警特捜班はクラック精製工場を急襲するが、CMBを壊滅させるまでには至らなかった。そこでスコッティをドラッグ・ディーラーに仕立ててCMBに潜入させる。スコッティの得た情報を元に、特捜班はクラック取引き現場を襲撃。しかし、ニーノを取り逃がしてしまった。怒り心頭のスコッティはニーノの隠れ家に強行突入し、ついに二人は対峙する。
 ファンキーかつ凶悪なウェズリー・スナイプスの演技には目を見張るものがある。対するアイス・Tには悲しいまでに孤高の雰囲気がある。両者ともにそれぞれキャラが立っている。ニーノは15歳で殺人を犯した。相手は女教師。それはスコッティの母親だった。仇敵に震えながら拳銃を突きつけるスコッティ。クールな男が感情を露にする場面に、思わず胸が昂ぶる。監督は出演もしているマリオ・ヴァン・ピーブルズ。『エクスタミネーター2』 (84) などにチンピラ役で出演していたキャリアからは想像もつかぬ手堅い演出が光る。この映画が全米で公開された時、上映中の劇場で暴動や暴力事件が起きたという。映画の内容が事件を引き起こしたワケではないだろうが、何とも物騒ないわくつきの映画。

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