マーフィの戦い
(英・71)
監督/ピーター・イエーツ
出演/ピーター・オトゥール、フィリップ・ノワレ、シアン・フィリップス
どうでもいいが「マーフィーの法則」の“Murphy's Law”は、この映画の原題“Murphy's War”をもじったのだろうか?
この映画はド根性物語である。
開幕いきなりドイツ軍のUボートの攻撃を受けて沈没するイギリス海軍軍艦。ただ一人生き残ったイギリス海軍兵士のマーフィは近くの島に漂着する。どうにか持ち直したマーフィはポンコツ複葉機J2Fや船を修理して、味方の仇を討つべく単身Uボートに攻撃を仕掛けてゆくのだった。
一人対潜水艦というアイデアが単純ながらに素晴らしい。島の女医やその助手たちが戦争の無意味さをどんなに説いても、マーフィは聞き入れずに執念の鬼となり突っ込んでゆく姿は悲しくも熱いものを感じる。マーフィが駆る武器がポンコツというのも面白く、戦争映画では本来脚光を浴びない整備兵であるマーフィの役どころが効いている。頼りなげなエンジン音をたてる水上複葉機、黒い煙を撒き散らす船は、画面から油の匂いが染み出そうな存在感がある。生き残れた幸運に浸るよりも、戦いを捨てる事への嫌悪感がマーフィの行動原理になっているようで、そういう事に美学を感じがちな日本人にはうってつけの映画ではないだろうか。下手すれば、荒涼とした映画になりかねない物語を、主人公と女医や助手との交流を挟むことで、人間味のあるものにさせている。
