マジェスティック
Mr. Majestyk(米・74)
監督/リチャード・O・フライシャー
製作/ウォルター・ミリッシュ
脚本/エルモア・レナード
撮影/リチャード・H・クライン
音楽/チャールズ・バーンスタイン
出演/チャールズ・ブロンソン、アル・レッティエリ、リンダ・クリスタル有名どころだと『ミクロの決死圏』(66)、『トラ・トラ・トラ!』(70)を撮ったフライシャーにしては、だいぶスケールが小さいストーリーだが、それだけに登場人物の一人ひとりが際立たされている。メチャクチャ頑固なオヤジと異常に執念深い殺し屋が激突する。よくよく考えてみると主人公の軽率な行動に原因があり、どうして殺し合いにまで発展してしまうのか、その展開がかなり強引に思えるが、自分の安全と財産は場合によっては暴力で守るのがアメリカ流だと解釈すれば納得できる。自分の農園でメキシコ人移民を雇って西瓜の獲り入れをしていたヴィンセント・マジェスティックは、地元の白人手配師と暴力事件を起こして逮捕される。正当防衛を主張するが認められず、留置場に護送されることになった。護送バスには殺し屋レンダが乗り合わせていた。町の中でレンダの手下たちから襲撃を受けたドサクサに紛れてマジェスティックはレンダを人質に取って山中に逃げ込んだ。彼はレンダの引き渡しを条件に自分の保釈を警察に持ちかけるが、レンダに逃げられてしまう。警察のバスを奪って脱走したというのにマジェスティックは釈放されて仕事に復帰した。同じ頃、レンダはマジェスティックに復讐するため手下を結集させていた。マジェスティックの仲間たちがレンダの手下に襲われ、ついにマジェスティックの農場も襲撃される。追い詰められたマジェスティックはレンダの一味を荒野におびき出して反撃に転じていく。ブロンソン・キャラでは珍しく自分の土地に執着する、農夫マジェスティックは如何にもタフガイで、同時に弱者を見捨てない信念があり好感が持てる。一方、レンダ役のアル・レッティエリはサム・ペキンバー監督、スティーブ・マックイーン主演の『ゲッタウエイ』でも蛇のように執念深い殺し屋を演じており、この映画でもその粘着質で異常性格ぶりが発揮されている。スゴ腕の殺し屋でありながらも、終盤は逆にマジェスティックに狩られる側になる。ラストで一味を壊滅させたマジェスティックはヒロインと共にまた農場に帰っていく。どんな理由があれ、大量に人間を殺しておきながら、何事もなかったかのような幕の閉じ方が妙な爽快感を残す。
