ロンゲスト・ヤード
(米・74)監督/ロバート・アルドリッチ
出演/バート・レイノルズ、エド・ローター、エディ・アルバートバート・レイノルズって、そんなに好きではなかったが、『シャーキーズ・マシーン』とこの『ロンゲストヤード』を観て好きになった。刑務所内での囚人チームと看守チームによるフットボールの試合を映画化する発想がイイ。普通ならトンデモナイ失敗作になりかねないネタを堂々とエンターテイメントに仕上げたアルドリッチの職人ぶり。刑務所内でならず者たちを集めて、チームとして鍛え上げてゆくプロセスは、同監督の傑作集団アクション『特攻大作戦』のようで面白い。
かつてNFLの花形プレーヤーだったポール・クルーは、車泥棒の罪でフロリダ州立シトラス刑務所に服役することになった。傲慢なヘイゼン所長はクルーに、囚人たちでアメフト・チームを結成させて看守チームと対戦させようと持ち掛ける。しかも自分の趣味と自尊心を満たすために。ここまでの展開がかなり強引だとは思うのだが、娯楽映画なのだから気にしてはならない。しかも、この所長、裁判官でもないクセして「いう事をきけないなら二度とシャバには出さん」と職権乱用も甚だしい。やむなくクルーはこれを受けるのだが、まず、チームのメンツ集めがなかなか面白い。ちょっと頭の弱い大男(リチャード・キール)、刑務所内でも殺人を犯した凶悪犯(ロバート・テシア)などが集められた。さらに敵である囚人チームの医療カルテを入手して「コイツの弱点は首だ」とやりだす始末。チームの名前はTHE MEAN MACHINE(根性曲がりのマシーン)。キックオフ。即席チームながら看守チームに食い下がる囚人チーム。赤っ恥をかくことを恐れたヘイゼンは試合中に「わざと負けろ。でなきゃお前は一生ここを出られんぞ」と卑怯な脅しをかけてくる。試合が進むにつれチームメイトたちは看守チームのラフプレイにより負傷者が続出。チーム内にはクルーが八百長試合をしているのでは? と疑念が生まれる。それでもバカ正直に突っ込んでボコボコにされる仲間たちを見てクルーは、ついに、立ち上がる。第4クォーター、ボールはワンヤード・ライン上にある。絶対絶命の大ピンチを真っ向勝負を挑むクルー。タイムアップ直前の逆転タッチダウンで劇的勝利をぶん取ったのだった。
くーっ、カッケー! 試合に勝ったら人生を棒に振るが、負けたら男じゃなくなる。結果、男であり続けることを選択したクルーが、フィールドを去っていく後ろ姿に思わず熱くなる。クルーを目の仇にしていたナウアー看守長役のエド・ローターの演技にも好感がもてる。男泣きの映画ながら爽快でゴキゲンなラストシーンが最高。日本版ビデオではエンディングの曲が入れ替えられて、せっかくのラストシーンの余韻を台無しにしている。
