レモ/第一の挑戦
(米・85)監督/ガイ・ハミルトン
出演/フレッド・ウォード、ジョエル・グレイ記録上抹殺されたNYの刑事レモが国家機関の工作員にされ、老人チウンから朝鮮の伝統武術シナンジュを伝授される。レモの第一の任務は武器製造会社の悪だくみを暴くことだった。
なんとも古臭いというか目新しいオリジナリティを感じさせないストーリー。しかし、考えようによっては『マトリックス』よりも先に銃弾をよける芸当をやってのけていた。その秘技であるシナンジュという武術が凄い。どういう練習をすれば体得でぎるのか是非知りたいところだが、相手の指が銃のトリガーを引く寸前、人差し指の筋肉が動く音を聞き分けて素早く弾道から逸れるらしいのだ。素晴らしい。その割には韓国人ボクサーの世界チャンピオンって少ない気もするが・・・。中盤の自由の女神によじ登っての殺陣の場面はなかなか良く出来ており、こんな映画のためにNY州は撮影許可したらしい。映画全体のトーンは明るく特訓シーンも『ベストキッド』同様ハードさに欠け、『OO7』シリーズの監督ガイ・ハミルトンにしてはコミカル路線を強調しすぎるように思える。主演のフレッド・ウォードはB級映画にさんざん出ているので別段違和感はないものの、問題は朝鮮人チウン役のジョエル・グレイ。どう見ても東洋人にはみえず単なる奇人そのものだった。いっそのことマコやパット・モリタあたりで手を打つべきだったのでは? 米軍の次期採用予定という設定になっていた自動小銃が、85年当時では未来的外観を持っていたステアーAUGだったのは少しアイデア不足。ラストではレモのピンチを救出にきたチウンが湖の水面を走っているシーンは笑うべきなのか驚くべきなのか迷ってしまった。タイトルの「第一の挑戦」というのはシリーズ化されるものと勘違いした配給会社のフライングで、当然のようにこの一本で終わってしまった。