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地獄のバスターズ
(伊・76)

監督/エンツォ・G・カステラッリ
出演/ボー・スヴェンソン、ピーター・フートン、フレッド・ウィリアムソン

 タランティーノが『キル・ビル』より先に企画し、脚本執筆中に頓挫したため一旦保留したという戦争映画。それはならず者部隊が活躍する『特攻大作戦』のリメイクだと映画雑誌で報じられた。これはこれで楽しみだったが、実は『特攻大作戦』ではなくエンツォ・G・カステラッリの『地獄のバスターズ』のリメイクで“The Inglorious Bastards”という映画であることが判ってきた。日本では劇場未公開だが『V−2ロケット強奪大作戦』というまんまのタイトルでテレビ放映されたこともある。こんなマイナーな映画をわざわざリメイクするなんて、さすがはタランティーノ。カステラッリといえばマカロニ・ウエスタンでいくつか秀作を残しているものの、それ以降はキャリアを重ねるたびに手腕が落ちていく不思議な監督である。
 1944年のフランス。ドイツ軍のV2ロケットのジャイロキャンパスを奪取するために囚人部隊が投入される。確かに『特攻大作戦』みたいな映画かと思えるが、囚人部隊が特殊任務を遂行するという点以外は完全なオリジナル・ストーリー。B級よりもさらに何ランクか落ちる作品ではあるが、かなり面白かった。少なくともマカロニ・コンバットの中では上ランクに位置するはず。アメリカ軍の囚人兵たちがトラックで護送中にドイツ軍の戦闘機に襲われ、そのドサクサに紛れて脱走。そのままスイスへの脱出を図ろうとするが、途中ドイツ軍や米軍に遭遇して戦闘に巻き込まれる。囚人兵たちはドイツ軍に変装した米軍特殊部隊を敵と間違って殺してしまう。特殊部隊の任務はドイツ軍が列車輸送するV2ロケットのジャイロキャンパス奪取だった。囚人兵たちはやむなく特殊部隊の代わりに任務に就くことになる。ここまでの展開でも『特攻大作戦』のパクリでないことは明白。後半は列車で運搬されるV2ロケット強奪作戦。複数に分担された作戦が同時進行でうまく組み合わされている。唐突にブツリと幕切れになってしまうラストはマイナスだが、全体的にしっかり作られていてマカロニにしては上出来。戦闘シーンにも力が入っている。キャストは三流どころ揃い踏みの吐き溜め状態だが、本作の主役のひとりボー・スヴェンソンはタランティーノ版にも出演する。また、アメリカではフレッド・ウィリアムソン主演映画ということに無理矢理され、“G.I. Bro”なるブラックスプロイテーション丸出しのタイトルがつけられている。

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