ダーティー・ソルジャー/野良犬軍団
(米・81)

監督/スチュワート・ラフィル
出演/ジェームズ・ブローリン、リンゼイ・ワグナー、ジェームズ・コバーン、アンソニー・クイン

  この映画ってキャスティングからして間違っているような気がしてならない。冒頭のみに登場する武器密売人のE・ボーグナイン、麻薬王のJ・コバーン、革命家くずれで山賊のA・クイン、これらベテラン勢を押さえて主役を張っているのは、『ジャグラー』しか印象に残っていないJ・ブローリン。さらにTVシリーズ『バイオニック・ジェミー』のL・ワグナーが中盤から絡んでくるが展開的にはむしろ邪魔なキャラクター。本当に観客の目を引く気があったのか疑いたくなるキャスティング。ストーリーも考えたり練られたりしたフシはなく、カリフォルニアの貧乏暇ありのロクデナシ4人が、中南米(多分メキシコ)の麻薬王の邸宅から500万ドルを盗み出して逃げる、だけの話でヒネリは全くない。逃走中に2人が警察に逮捕されブリーフ姿で逃げ回る場面や、逃げおおせた残り2人が山賊に襲われたり、といろいろ用意されてはいたが、どう考えてもつまらない。他人の金を盗んだうえ、関係ない人間をも平気で殺しておきながら、そんな極悪な主人公たちが堂々とハッピーエンドを迎える不条理な幕切れは、ある意味痛快と言えなくもないがブローリンはじめ主人公側に人間的魅力がないため同情はできない。もう見所など無に等しいのだが、この映画で一番インパクトがあったのはクイン演じる山賊の首領。大物ぶって凄んでいたものの圧倒的な下品さでボケ老人にしか見えないが、ラストシーンでクインが映画のレベルに不相応な渋い演技を披露している。邦題のサブタイトル“野良犬軍団”はロクデナシ4人組ではなく、クイン率いる山賊どもを指しているようだ。クインが貫禄の主役を張った『砂漠のライオン』とほぼ同時期に出演したのが本作というのは、彼が如何に仕事を選ばなかったかを物語っている。

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