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ダーティハリー
(米・71)

出演/ドン・シーゲル
出演/クリント・イーストウッド、アンディ・ロビンソン、ハリー・ガーディノ

  どんなに時間が経とうが色褪せぬ、文句なしの刑事アクション最高傑作。警察組織からはみ出した破戒刑事の映画は無数にあるが、果たしてハリー・キャラハン以上に映画ファンから支持されるキャラクターは存在するだろうか? いま観ると『ダーティハリー』は意外にも地味な印象を受ける。アクション映画というよりもハードボイルドと言ったほうがしっくりくる。この映画以降に量産された、アクション場面のみがストーリー以上に重要視された刑事アクション映画に比べ、『ダーティハリー』は世相や社会性を反映させた大真面目な映画に思える。しかも、そのクールなカッコよさはいまだ有効。ハリー・キャラハンの暴力には意味があるということも、そこいらの刑事アクションと差別されるべき根拠である。無意味な暴力シーンほど白けるものはない。この映画が古ぼけないのは、時代とともに社会の価値観が変わろうとも、極悪犯罪者を容赦なく叩き潰すヒーローが人々から求められているからだと信じたい。
 この映画は、観客がスコーピオに憎悪を抱き、ハリーに感情移入するように仕組みが施されている。全体的にトーンが暗く、粗っぽい画質も手伝って、何とも言えぬドライ感がある。勝手な想像だが、夜のシーンやスコーピオの異常さを強調する場面が多いのは、ギリギリまで観客のストレスを増幅させて、ラストで一気にフラストレーションを爆発させるための仕掛けなのかもしれない。卑劣極まりないスコーピオを思いっきり豪快なマグナムで吹っ飛ばすラストの快感は、何度でもこの映画を観たくさせる。
 そして何と言っても、ハリー・キャハン愛用の44マグナムことスミス&ウェッソンM29の圧倒的な存在感。一撃で象を倒すとも言われるこのガン・キャノンは、実際にはあまりの破壊力と大きさゆえに実用性に欠けるとも聞く。だが、映画的には最高に映える銃でもある。これだけ自己主張の強い銃だと、それを持つ人物を演じる俳優のほうが貫禄負けする可能性もある。いろんな映画でM29が使われているが、多くは単なる小道具のひとつという扱いで、『ダーティハリー』ほどM29に意味性を持たせた映画はあまりないと思う。ハリー・キャラハンというアクの強いキャラクターとM29の相性は抜群で、実際イーストウッドはM29をカッコよく使いこなしている。ハリーの発砲シーンは正面か斜め前からのカットが多く、これがM29の威圧感をより高めている。馬鹿でかいM29を持ってサマになるのは長身と手足の長さを持つイーストウッド以外にはなかなかいないでしょう。

 

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