コンバット・恐怖の人間狩り
(カナダ・76)監督/ハーヴェイ・ハート
出演/クリフ・ロバートソン、アーネスト・ボーグナイン、ヘンリー・シルヴァゲームが好きな中学生A少年(14)ら5人は、隣町のゲーセンで他校の中学生数人から因縁をつけられた。B少年(14)が殴られたのをきっけに乱闘になり、C少年(15)が相手グループのひとりをボコボコにする。辛うじてAらは地元に逃げ帰ったが、相手グループが自分たちに復讐しようとしている、という噂を聞き、元来、根が小心者であるAたちは不安にかられる日々を送るようになる。精神的に追い詰められた5人は悩んだ挙げ句、地元の仲間を率いて隣町に乗り込んだものの、地の利の悪さがたたって返り討ちに遭ってしまうのだった。
・・・という日本中いたる所でよくありそうな話だが、上記文中の「ゲーム」を「ハンティング」に、「中学生」を「退役軍人」に、「ゲーセン」を「森」に、「ボコボコ」を「射殺」に、「仲間」を「州兵」に置き換えた映画こそ本作である。
なんとも呆気ないストーリーであるが、実際、派手な見せ場はラストの戦闘シーンぐらいで、大袈裟な邦題につられて観ると肩透かしを喰らう結果になる。事件の発端となるハンター同士の銃撃戦は、川を挟んで両陣営が無言で見つめ合った直後に、なんらかの理由があるわけでもなく突然起きる。あとは主人公たちが復讐される事に脅え続けるだけ。しかし、この映画がまったくダメなのか、といえば、決してそうでもなく、いつも曇っている町と住人たちのジメジメした空気とダークなトーンの画面に重厚感が漂っている。多くの映画でさんざん悪の限りを尽くしてきたアーネスト・ボーグナインやヘンリー・シルヴァが、いち小市民として不安そうな表情をする映画も珍しい。あまりに突然なラストシーンにはインパクトがあった。大々的に他人に薦められる映画ではないが、『脱出』あたりを「面白い!」と感じた人には楽しめるかも?
