DEATH WISH
バトルガンM−16
Death Wish 4 : The Crackdown(米・89)
監督 / J・リー・トンプソン
製作 / パンチョ・コーナー
製作総指揮 / メナハム・ゴーラン、ヨーラン・グローバス
脚本 / ゲイル・モーガン・ヒックマン
撮影 / ギデオン・ポラス
音楽 / ポール・マッカラム、ヴァレンタン・マッカラム
出演 / チャールズ・ブロンソン、ケイ・レンツ、ジョン・P・ライアン何が“バトルガン”なのか、さっぱり謎。グレネード・ランチャー付きのM−16が登場するのは最後のほうだけで、わざわざタイトルにもってくる程の活躍場面はない。「それにしても・・・」と誰もが思ったことだろう。『狼よさらば』『ロサンゼルス』と上質ハード・ボイルドだった筈の“デス・ウィッシュ”シリーズも、前作『スーパー・マグナム』でついに破綻。が、その脱線暴走ぶりが一部観客にウケたらしく、今作でもさらにトンデモない暴走を展開させる。もはや初期作品の作風は木っ端微塵に吹っ飛んだ。ストーリーもメチャクチャだが、何もかもが狂い果てている。オープニング、女が地下駐車場で暴漢3人に襲われる。いきなりポール・カージーが登場して、あっさりと3人を射殺した。カージーが死んだ男の顔を見やると、それはカージー自身だった。ギョッとした次の瞬間、画面が切り替わってガバッとベッドから起き上がるカージー。要するにこれは夢だったのだが、この不吉なオープニングが何の伏線にもなっていない。いつのまにか設計技師に復職していたカージーが、恋人の娘がコカインの過剰摂取で死んだことをきっかけに、ロスを牛耳る二大麻薬組織の殲滅作戦を開始する。同じく娘をドラッグで亡くした新聞王ネイザン・ホワイトから協力を得て単身戦うカージーだが、その行動たるや行き当たりばったり。いきなり敵陣に乗り込んでは機関銃、ダイナマイトを使って大暴れ。麻薬精製工場では下っ端の工員たちを徹底的に殺しまくる。そこら中に指紋は残すし、目撃者続出にも拘わらず、どういうワケかロス市警はカージーを逮捕できない。警察も相当にマヌケだが、それを上回る呑気な麻薬組織の幹部たちは、仲間が次々に殺されていくというのに、まったく用心せず、やはり次々と殺されていく。挙げ句にカージーの仕組んだ策略に見事に陥って両陣営共倒れ。カージーは本業の設計技師を続けながら、昼間からこんなことをやっているのだが、ちょくちょく外出する彼を職場の人は怪しまなかったのだろうか? 二大組織を壊滅させ安心したのも束の間、なんとカージーをけしかけたホワイトの正体こそ大物麻薬王だった!! まんまと利用されていたカージーはバトルガンM−16をとって最後の決戦に向う。ホワイトをランチャーで爆殺したカージーの前に、彼を捜査していた刑事が現れるが、いつものパターンどおり、刑事はカージーを逮捕せず、立ち去るカージーを黙って見つめるだけだった、とさ。70年代のブロンソン映画、とくに『狼よさらば』あたりが好きな人には問題がある出来だと思うが、『スーパー・マグナム』とか『地獄で眠れ』を普通に観れる人なら、辛うじて暇潰し程度にはなるだろう。